「お金2.0 著者 佐藤航陽」の内容と感想について
こんにちは、すのーです!
今回も図書館で大量に借りてきたビジネス書の内容と感想を書いていきます。
昨今ではビットコインが出てきたりAIが急速に発達したりして、変化が目まぐるしいですね。
この本では「新しい経済の歩き方」を具体例を交えて学ぶことが出来ます。
新しい経済に対する考え方を知れるといった感じです。
ビットコインなどがよく出てきます。
私も仮想通貨に投資するといったことをしていたので、興味深く読めました。
大きなサイズの本ではないですが、様々なことが書いてあって多くを学べる本だと思います。
第一章 お金の正体
現実は「お金」、「感情」、「テクノロジー」が相互に影響を及ぼしていてます。
それらが未来の方向性を決めていると書いてありました。
図のような感じです。
学校の勉強ができても必ずお金持ちになれるわけではないですよね。
ロバート・キヨサキ氏も学校の教育ではファイナンシャル・リテラシーが磨かれないことを危惧しています。
学問的な賢さが実社会での生活力に直結しないのは、バスケと野球のようにそれらが別のルールで運営される競技だからであると筆者は書いています。
ここで、お金2.0の題名になった概念について紹介します。
この本ではFintechについてよく書かれてあります。
Fintechとはfinenceとtechnologyを組み合わせた造語で、ITなどの新たなテクノロジーの進化によって金融の世界が破壊的に変化するトレンドのことを言うそうです。
そのFintechには、Fintech1.0とFintech2.0があります。
Fintec1.0はすでに存在している金融の概念は崩さずに、ITを使ってその業務を限界まで効率化するタイプのものだそうです。
Fintech2.0は近代に作られた金融の枠組み自体を無視してまったくのゼロベースから再構築するタイプのものだそうです。
お金2.0の2.0はこのFintech2.0から来ているそうです。
お金には、価値の保存、尺度、交換の役割があると書いてありました。
今の貨幣には中央銀行のように、中央に管理者がいますね。
ビットコインは違います。
ビットコインとは、中央に管理者がいなくとも成り立つバーチャル上の通貨で、ブロックチェーンという技術が活用されていると本書では紹介されています。
一定期間のデータを一つの塊(ブロック)として記録し、それを鎖(チェーン)のようにつなげていくことでネットワーク全体に取引の履歴を保存し、第三者が容易に改ざんできないようになっているそうです。
中央管理者不在のP2Pネットワークだそうです。
P2Pネットワークってなんだかわからない人もいると思います。
P2Pとはpeer-to-peerの略です。
対等の立場で通信を行う通信相手やノードをピアといいます。
ノードってなんだかわからない人もいると思います。
暗号資産におけるノードとは、暗号資産のネットワークに参加している、コンピュータ端末のことを指します。
参照:
P2Pは各ピアがデータを保持し、他のピアに対して対等にデータの提供及び、要求、アクセスを行う自律分散型のネットワークモデルです。
サーバ、またはクライアントそれぞれの立場に固定されることがありません。
2つの立場が固定されるクライアント・サーバ型モデルとは対照的です。
参照:
仮想通貨と法定通貨はまったく違う仕組みだそうです。
なので、法定通貨の感覚で仮想通貨を見るのは無意味だそうです。
新しいものが出てきたときにそれに似た業界の前提知識があると、その知識に当てはめて新しいものを見てしまう傾向が人にはあるそうです。
それは危険だと筆者は言っています。
実務の世界では机上の空論はまったく通用せず、成果につなげることで、初めて生きたノウハウになり得るそうです。
経済のような動的なネットワークの特徴を2つ挙げています。
1つめは「偏り」が生じることです。
格差が生じることだと言い換えてもいいです。
世界の上位1%が持つ富は世界の48%の富を占めるそうです。
また、世界の上位80人の所得は下位35億人の所得の合計にほぼ等しいそうです。
ものすごい格差ですね。
2つ目は不安定性と不確実性の増大です。
未来がはっきりと見える状態ではないということですね。
経済=人間が関わる活動をうまく回すための仕組みだと書いてあります。
経済はいまでは読み解く対象から、作り上げていく対象になったそうです。
特定の人が必死に頑張るような仕組みは長続きしないそうです。
持続的で自動的に発展していく経済システムの特徴を5つ挙げています。
1つめは報酬が明確であることです(インセンティブ)。
ビットコインは報酬設計が明確だそうです。
2つめは時間によって変化することです(リアルタイム)。
人間は変化が激しい環境では緊張感を保ちながら熱量が高い状態で活動することができるそうです。
3つめは運と実力の両方の要素があることです(不確実性)。
不確実性がまったくないと、想像力を働かせて積極的になにかに取り組む意欲が失われるそうです。
4つめは秩序の可視化です(ヒエラルキー)。
秩序の固定化は2つ目と3つ目の要素を失わせてしまうのでよくないそうです。
新陳代謝を強制的に促す仕組みを組み込むことが大切だそうです。
5つめは参加者が交流する場があることです(コミュニケーション)。
これが経済システムの接着剤としての役割を果たすそうです。
一見意味のない時間を一緒に過ごした人ほど、その後に深い関係を築きやすいそうです。
経済システムの持続に必要な2要素も挙げています。
1つ目はその経済システムの寿命を考慮することだそうです。
なぜかと言うと、経済は階層の固定化のような淀みが避けられないからだそうです。
システムの選択肢が必要だと書いてありました。
2つめが共同幻想を持つことです。
参加者が同じ思想や価値観を共有していることが大切だそうです。
なので、「世界を変える」ということは、前の共同幻想を壊して、新しい幻想を上書きすることだそうです。
経済がこのような仕組みになっている理由は脳の報酬系にあるらしいです。
人の脳は欲求が満たされたときに快楽物質を分泌します。
欲求が満たされることが期待できる状態でも分泌するらしいです。
なので、人間の脳は経験や学習によって快楽物質を分泌する対象を自由に変化させることができるそうです。
人間が今でも変化の激しいリスクのある状況での報酬に大きな快楽を感じるそうです。それは自然の中で生き延びてきた生物が環境に適応するために身に着けた習性だと言えるそうです。
快楽物質は中毒も引き起こすので、諸刃の剣だそうです。
経済は自然を模した仕組みだそうです。
自然の構造に近いルールほど社会に普及しやすく、かけ離れた仕組みほど悲劇を生みやすいそうです。
独裁や社会主義がうまく行かなかったりするのはそのせいでしょうか。
経済・自然・脳のように複数の個が相互作用して全体を構成する現象は「創発」と呼ばれるそうです。
今後はこのような構造を使いこなす「創発的思考」とも言える思考体系が必要になってくるそうです。
社会の中で細分化して分類されてきた概念も、違う角度から見ると実際はまったく同じ構造が隠れていることが多いそうですよ。
第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ
線で捉えるとは一体どういうことでしょうか。
現在の社会システムがどんな課題を解決するために作られたものなのかの「原理」を正しく理解し、最新のテクノロジーはそこにどのような変化を起こすのかを1つの「現象」として理解することを意味するそうです。
今経済で起きている大きな変化は分散化だそうです。
既存の社会は中央集権化によって秩序を保ってきたそうです。
しかし、分散化が進んでいくと、独自に価値を発揮するシステムそのものを作ることができる存在が大きな力を持つようになるそうです。
分散化が進んでできた経済の例を3つ挙げています。
共有経済(シェアリングエコノミー)は代表としてUBER、Airbnbが挙げられます。
これは「代理人社会」とこれからの「ネットワーク型社会」の良いところを混ぜたハイブリッド型だそうです。
評価経済は他者からの評価によって回る経済です。
シェアリングエコノミーをさらに推し進めたのがトークンエコノミーだそうです。
トークンには明確な定義はなく、一般的には仮想通貨やブロックチェーン上で機能する独自の経済圏を指すそうです。
通貨を発行する存在が手にする利益をシニョリッジ(通貨発行益)といいます。
トークンの発行者はこの通貨発行益を得る代わりに優れた経済圏を作りそれを維持し続けなければいけないそうです。
この経済システムはその経済圏の参加者が増えれば増えるほど経済圏としての価値が上昇する「ネットワーク効果」が働くそうです。
トークンも現実世界の何かと紐付けることによりそれ自体の価値を可視化できると書いてありました。
曖昧な概念も価値を可視化できるそうです。
もう一つ経済の大きな流れの変化があります。
それは「自動化」だそうです。
「自動化」と「分散化」が合わさったのが「自律分散」です。
その仕組みが次世代の成功モデルになるそうです。
今目の前で起きている変化は経済そのものの民主化だそうです。
お金そのものに価値はなくなっていき、むしろどのように経済圏を作って回していくかというノウハウが重要な時代になっていくそうです。
第3章 価値主義とはなにか?
この本では価値主義が大きなテーマになってるみたいです。
一般的な経済は「消費経済(実体経済)」と呼ばれます。
私達が普通に買い物をするような経済です。
一方私は株式投資などを行っています。
このように、お金からお金を生み出す経済を「資産経済(金融経済)」と呼びます。
世の中に流通しているお金の流れの9割近くは貨幣経済の方で生まれてきているそうです。
資本主義が考える価値あるものと、世の中の人の考える価値あるものの間に大きな溝が出来てしまっているそうです。
その溝を埋めるのが価値主義っぽいです。
価値を最大化しておけば、いろいろな方法で好きなタイミングで他の価値と交換できると書いてあります。
今後は可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に交換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくそうです。
その流れを筆者は価値主義と呼んでいます。
一般的に価値は3つに分けられるそうです。
1つ目は有用性としての価値です。
これは役に立つか?という観点から考えた価値だそうです。
資本主義はこの価値しか考えていないから問題なのだそうです。
2つ目は内面的な価値です。
好意など、個人の内面にとってポジティブな効果を及ぼすときにでてくる価値です。
3つ目は社会的な価値です。
NPO活動など、社会全体の持続性を高めるような活動に出てくる価値です。
2,3は目に見えないから資本主義ではスルーされてきたそうです。
今では2,3も可視化できると書いてあります。
私達が普段扱っているお金や不動産はマネーキャピタル(金融資本)です。
これはどれだけお金が増やせるかという観点で評価されるらしいです。
一方お金が増えるわけではないが、社会全体にとって価値ある資本は「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」と呼ばれているそうです。
個人がつながってできている社会が持続的に良い方向に発展していくために必要な「社会的なネットワーク」を「資産」と捉え、これを増やす人が大きな力を持つような時代になっていくと筆者は主張しています。
社会の課題をビジネスとして解決する、ソーシャル・ビジネスも紹介されています。
ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスという人が考えました。
彼が創設したグラミン銀行が、ソーシャルビジネスの代表例です。
グラミン銀行は貧困層に低金利でお金を貸し出すというビジネスをしています。
私もグラミン銀行みたいなビジネスに投資したいです。
あとは、複数の経済システムは併存しうると書いてありました。
第4章 お金から開放される生き方
マズローの5段階欲求って知っていますか?
下の画像のような欲求の段階です。
今ではその最上位よりも上の欲求である、社会全体の自己実現を助けたいという利他的な欲求が生まれていると筆者は書いています。
儲けるためではなく、自分の価値を上げるために働くことが大事だそうです。
医師も自分の価値を上げられる仕事だと思います。
筆者は自分と向き合って、情熱を発見し、自らの価値を育てる事が大切だと書いていました。
第5章 加速する人類の進化
国家は3つの方向に行くらしいです。
1つ目はエストニアのような電子国家がグローバルスタンダードになる未来。
2つ目は巨大なIT企業が国家のような役割を担う未来。
3つ目は無名の共同体が国家として名乗りを上げる未来。
経済と宗教の境界線も消えていくそうです。
また、「現実」を選択できるようになるとも書かれてありました。
そして、「お金」は単なる「道具」なのだそうです。
お金で困っている人ほど、お金に感情的な意味を見出しているらしいです。
逆に儲かっている人はお金を単なる道具としか見ていないそうです。
なので、お金を感情から切り離すことが大切なんだそうです。
このことは、よくビジネスの本に書かれてあるので、よっぽど大切なことなんだなと思いました。
私が小学生だった時の話をしたいと思います。
その時の同級生が、「お金って単なる紙だよな!」と発言していたことを今でも覚えています。
私はその時にはもうお金に興味を持ってお金に関する本を読んでいたので、「皆が価値があると思うものがお金になる」という考え方は知っていました。
しかし、本を読んだりせずにその考え方にたどり着けたのはすごいと小学生ながら感心しました。
このように、気づいている人は早期から気づいている考え方だと思います。
今日のブログは以上となります!
今回紹介した本は以下です
ここに書かれていないことも多く書かれています。
一読する価値はあると思います。
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