「あなたの仕事は「誰を」幸せにするか?著者 北原茂美」の内容と感想について
こんにちは、すのーです!最近簿記の記事ばかり書いていたので今回は、本を紹介したいと思います。私が通っていた医学部専門塾で紹介されていたので、読んでみました。
医療に関する本なのですが、なかなか斬新でした。好き嫌いの分かれる本だと思います。
では早速内容に入っていこうと思います。
全ての仕事は医療である
北原さんは、「いかに良く生き、いかに良く死ぬかを支援するアプローチ全て」を医療と定義づけています。
なので、世の中のすべての仕事は医療だといえるそうです。私たち一人ひとりが医療に携わっているという意識をもってほしいそうです。
だから、社会を変えることは医療を変えることと密接にかかわっているそうです。
そして”社会を変えるのは私たち一人ひとりの市民であり、社会を変えていく手段のことを「ビジネス」と呼ぶ。”と書いてありました。
少子高齢化とは「人類がこれまでの歴史で経験したことのない事態」であり必要とされているのは「過去の成功事例」ではなく「あたらしい成功事例」だそうです。
医療崩壊とは医療費の崩壊である
北原さん曰く医療崩壊とは医療費の崩壊であるそうです。
医療費が抑制されれば人件費削減を招きそれが医療従事者の過重労働につながります。そして結果として医療の質の低下にもつながってしまうそうです。
なので、北原さんは医療費を増大させていくことを主張しています。
医療に金銭が絡むと拒否反応を示す人がいると北原さんはいっています。
それは医療従事者を聖職者だと思っていることからくるそうで、北原さんは、それが嫌みたいです。
彼は、医療従事者が患者さんを救っているのはそれが人として当たり前だから、医療従事者が人間だから行っているだけで別に聖職だから行っているわけではないといっています。
私も特に医師が聖職者だからという意識は持たずに患者さんを助けると思います。
医療従事者が聖職者であるという考えが医療からお金を遠ざけ医療崩壊を招いているそうです。
医療制度の矛盾
現行の医療法では「営利目的で病院や診療所を開設しようとするものに対しては、(開設の)許可を与えない」とされているそうです。病院や診療所でお金儲けをしようとするなと法律で決められているわけです。
しかし、医療法人には税制上の優遇措置など一切なく、法人税に関しても一般企業と同じ税率で納めることになっているそうです。
営利目的で経営するのは禁止されていますが、非営利法人としてみなされているわけではないということですね。
しかも、消費税ついては備品をそろえるのにはかかりますが、保険証を使った診療については消費税がかからないそうです。
国民皆保険の欠点
国民皆保険には、「いつでも誰でもどこで医療サービスをうけてもかかる費用は同じ」というルールがあります。
北原さん曰くこのルールは「全国どこの病院でも、全く同じレベルの医療を提供している」という前提があって初めて成り立つものだそうです。
しかし、実際には病院によって医療レベルに差があります。
日本の医療はこの建前を守るために医療行為の成果、結果を公表しないしできないそうです。
なので、患者さんは確かなデータを与えられないままギャンブルのように病院を選ぶしかないそうです。
また、国民皆保険は、次の3条件があってこそ成立するシステムだそうです。
・十分な生産年齢人口
・右肩上がりの経済成長
・節度ある総医療費
今の日本にはこの3条件のどれも満たしていないので国民皆保険は存続不可能だと北原さんは見ています。
ドラッグラグ
また、ドラックラグという問題もあります。それは最新の薬が認可されないことによって、それによって救えたかもしれない患者さんが救えなくなってしまうという問題です。
世間一般では認可手続きの複雑さがその原因となっているとされています。
しかし、北原さんは欧米の薬を認可するとその薬は高いから、医療費が増大することを理由に認可されていないのだと主張しています。欧米の薬は1カプセル5000円とかするらしいです。
北原さんの病院での取り組み
北原さんは、ワンコインドッグという試みをしています。
ワンコインドッグとはワンコイン(500円)で簡易的な健康診断が受けられるというものです。
検査の流れもシンプルで、好きなコースの診断を受けることが出来て10分程度で終わるそうです。
検査内容は、簡単な問診と採血をされます。そして結果はオンラインで見れるそうです。(郵送もあり)
また、家族ボランティアシステムというのも採用しています。
それは、患者さんの家族が病院で何らかのボランティアをすることにより医療費を安く抑えることが出来るというシステムです。
病院側はランニングコストが抑えられるし患者さん側は医療費を抑えることができるのでwin-winなシステムですね。
北原さんはお金以外の形でも価値提供ができるんだよってことを私たちに知ってほしいみたいです。
また、北原さんは「自然を処方する」ということも試みとして行おうとしているみたいです。それは、病気ごとにコースを用意して植物を植えてその中を週に3回くらい歩いてもらって病気を治すという療法です。なかなか面白いですね。
常識を疑え
北原さんは日常での些細な違和感を見逃さないでねといっています。日常の違和感をしっかり考えて常識を疑っていく姿勢を持つことで物事の本質が見えてくるそうです。
北原さんは自分の実現したい医療を東南アジアで実現させ、日本へ逆輸入させたいそうです。リバース・イノベーションです。
そのために情熱的に働いているみたいです。
今回のブログは以上となります。ここには書いていませんが、北原さんはなかなか独創的で賛否両論あるアイデアを持っています。
本を読んだら、北原さんが情熱あふれる人だということが分かると思います。
一読する価値はあると思うので読んでみてはいかがでしょうか。